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吉村昭さんの高熱隧道を読み終えました。
昭和11年に着工した、黒部第三発電所。岩盤最高温度166度という高熱地帯に、トンネル(隧道)を掘削する難工事。
ダイナマイトの誤爆、泡雪崩による宿舎の倒壊など、死者数が300余名と、現代では考えらない犠牲者数。
工事の計画を練る技師側と、実際に工事作業を行う人夫との微妙な心理関係。
工事を中止させたい監督省庁である県庁と、戦時下に十分な電力を確保したいという思惑があり工事完遂を働きかける軍部(国)とのパワーバランス。
地質の専門家(人智)を超越した自然の圧倒的な猛威。
高熱のなか、劣悪な労働環境でトンネルを掘るために編み出した様々な工夫。
手に汗握りながら、読み進めることができました。
面白かった。